木っ端拾いの材木流し

Cannot see the wood for the trees.

MEZZO

お天気お姉さんの所に転がり込んだ美青年は東京で降り続く雨を止めるためにやってきたエイリアンだった、というお話。で、彼を追ってきたエージェントのエイリアンを、DSAの三人が退ける。
視聴者が作品にのめりこめるかどうかは、序盤でその作品の舞台背景、キーアイテム、人物紹介などをいかにストーリーにうまく絡められるかにある。序盤で語られない場合、それはストーリーの中核をなす重要なポイントであることが多い。
アニメだとカウボーイビバップはこの辺が実に良く出来ていた。マンガだとワンピースあたりが主要キャラ登場時に必ず過去エピソードを絡めてきて、ワンパターンと言えなくもないけど安心して見ていられた。
翻って見るに、本作は主役の三人組が何者かも分からない状態で突然どたばたのバトルが始まってしまう。その上初回から幽霊、エイリアンと主人公達の守備範囲外の仕事ばかりで、凄さを感じたり感情移入する事ができない。かといって彼らの素性が延々と引っ張るほどの魅力に満ちた謎を秘めているかと言うと、とてもそうは思えない。これは単なる説明不足じゃないか。
例えば今回なんか、もうちょっとおっちゃんの素性を匂わせつつその手腕を覗かせる演出にしても良さそうな所を(これは僕が勝手に今回の話をおっちゃんのエピソードと捉えただけなんだけど)、トンガリ頭の「さっすが元刑事」の一言で片付けてしまっている。
謎を解くのはこれからなのかも知れないけど、第2話まで観た限りでは、大雑把なキャラ付けと小道具だけを決めて、舞台背景や集客効果のあるストーリーが定まらないまま(あるいは定める気のないまま)見切り発車したといった感じ。正直、三人の役割分担すらまだ分からない。今の時点で評価を出すのは早計かも知れないけど、話の組み立てがどうにも上手くないと思う。
深夜アニメから抜け出すいいチャンスなのかも…