木っ端拾いの材木流し

Cannot see the wood for the trees.

ひとを動かすということ

「彼をイラクに行かせないで」たった一人の街頭署名活動 (asahi.com : 社会)
気持ちはすごく分かる。何かせずにはいられなかったのだろう。冬空の下、かじかむ手をさすりながら道行く人に署名を訴える姿は、人の胸をうつに違いない。でも、この子達がやっていることは、違うんじゃないかと思う。


朝日新聞の記事を読む限り、彼女らの恋人は自分の意志でイラクへ行くことを決めている。強制ではなく、イラクへ行くことが危険であることも知った上で、リスクと見返りを天秤にかけた上で決断しているのだ。
本当はそうではないのかもしれない。隊内で誰かが行かなければならず、仕方なく自分が行くことになったのかも知れないし、後方支援だから危険はない、と信じ込まされているのかもしれない。でも新聞記事ではそこまでは分からない。


ただ言えるのは、彼等が自分の意志でイラクへ行くことを決めたのならば、それを止めるためにイラク派遣そのものを中止させようとする彼女達は、間違っているということだ。
この子達が署名を集める前にすべきことは、自分の恋人や家族と十分に話し合うことなんじゃないだろうか?
もちろん、彼女達がそれをやっていないとは思わない。だがそれでも、恋人を説得できなかったから署名を集めて派遣をやめさせる、というのは、やっぱり違うと思う。
自分がよく理解しているはずの恋人を説得できないような理由で、何の面識もない道行く人々やその総体である国を動かすことは、できないと思う。残念だけど。